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日本の技、日本の品質、日本の味わいを掲げ、グローバル市場に挑戦している企業様を訪ねています。

世界が追い越していったのか、はたまた日本が衰退したのかわかりませんが、昨今、経済・社会・生活の豊かさなど様々な分野で、世界における日本の地位低下が言われています。しかし本当にそうでしょうか?

日本には世界に誇れる技術や伝統、文化があって、多くの企業様の努力によりその価値が各国で認められています。さらに、そうした既存プレーヤーに加えて、新たに自社の商品・技術の世界への発信にチャレンジしている企業様もあるのです。

このシリーズでそのような企業様が、いかにグローバル市場に挑戦されているのか、皆様に紹介したいと思います

新シリーズとして、

九州佐賀の

皆様の活動、

特に

海外市場に向けた

取り組みを

ご紹介します。

今回ご紹介するのは

九州屈指の温泉地、茶どころの

佐賀、嬉野、

下田製茶舗様です。

(https:/shimodaseichaho.jp)

お茶は急須に淹れて頂くものから、ペットボトルで飲むものに代わってゆき、嬉野のような高級緑茶の市場減少が日本で進んでいるなか、海外で新たな緑茶の市場を切り拓くことで活路を見出そうとする、下田製茶舗様の挑戦は、どのようなものだったのでしょうか。

下田製茶舗様の輸出への取り組みは、まず商社経由、いわゆる間接貿易から始まりました。そこで海外市場の状況を見ながらノウハウを少しずつ溜めてゆきました。

そうしているうちにJETROが全国展開をすすめ、佐賀にも2015年に貿易情報センターが出来ました。

下田製茶舗様もさらなる輸出拡大のため、支援プログラムに応募されました。

これが今のような、直接海外のお客様と貿易ビジネスをされるきっかけとなりました。

JETROの支援により海外のお客様と直接取引を開始されたほか、展示会にも足を運び、2016年のLas Vegasでの展示会における品評会で金賞を受賞されました。

それでもまだ、ディストリビューターの出展ゴマのなかに孫出展させてもらい、今一つ欲しい情報も集まらず、というなかでなかなかもどかしい時期が続きました。

そこで下田製茶舗様がさらに自ら動き始めました。

たとえば海外展示会で茶商のブースを訪ねて情報収集等を行ったり、英文でもホームページを調えていったといった、そのようなことをすすめているうちに海外から直接問い合わせも来るようになりました。

そのような活動を続けているなか、鹿児島で行われた商談会で、あるカナダの年商55億円レベルの茶商と出会い、取引をするようになりました。

取引のスタートは数百キロくらいのトライアル。

その後、その茶商とのビジネスは順調に拡大してゆき、

40フィートコンテナで最低年2回、多い年には年4~5回の出荷になるほどになりました。

今ではこのカナダの茶商が、

下田製茶舗様の輸出先での最大の取引先になります。

この他、フランスでの取引も始まり、さらにドバイ、英国と、アフタヌーンティを楽しむ習慣のある国に輸出先が広がっています。

こうしてお茶の産地としての嬉野、そして茶商としての生き残りをかけた下田製茶舗様の輸出への取り組みは、軌道に乗り、さらにあらたな国でのお客様にも広がっています。

海外の品評会で受賞するなど、お茶の品質を高く評価された一方、実績上ももどかしい時期もありながらも、海外ビジネスを伸ばすことができたのはなぜでしょうか?

主力取引先であるカナダの茶商は、

もともと東南アジアや中国から茶葉を輸入し、自分たちの製品に仕上げ展開しているところです。

輸入した茶葉を原料としてフレーバーティに仕上げ、

ティーパックや1㎏の真空パックにパッケージを調えたうえで、

ホテルなどへの卸し、会員制のネットショップ等により、カナダ内で展開させています。

その他、ヨーロッパにも再輸出しています。

こうしたアイテムを1000くらい展開しているなかで、

Japanese Green Teaが必ず必要、ということで下田製茶舗様のお茶が求められました。

ここは原料なので、茶の品質についてはあまり細かく言われません。

商品レンジとしても、中級から下の価格帯で、実際にこのレンジのお茶を扱っているところは少ないのです。

決して利益率が高いわけではありませんが、

国内でこのレンジのお茶を販売するよりは実は利益が取れるというのが実態です。

フランスでの取引先は現地で自社のブランドで店舗販売をしているところ、

やはりJapanese Green Teaとしてアイテムが必要です。

下田様いわく、海外市場のお客様にお茶の淹れ方、頂き方など、日本で昔から行っているようなやり方を教え、強制するやり方は決して成功しないということ。

なるほど、欧米にしてもブラックティによるお茶の文化はありますし、インドなどの伝統的な紅茶生産国に加えて中国や東南アジアからもティ自体は大量に出回っています。まず入口としては、その文化に対し、新規参入者として合わせてゆくわけです。

そしてグレードですが、たとえばアフタヌーンティ⇒富裕層・上層階級の文化⇒高級品というのはいささかステレオタイプの考えで、ここに嵌っても、やはり成功しないでしょう。

下田様の体験でも、たとえばグラム500円の煎茶と1000円の上撰煎茶を海外の方に提示しても、その差は何か、という話になっても全く理解して頂けなかった。

日本人の繊細な感性をベースに話しても輸出の相手方に全く話が嚙み合わなかった、とのことでした。

先程言いましたように、下田製茶舗様が輸出に重点を置いているのは中級グレード以下です。

カナダではこれが原料として使われるので、あまり品質に先方がこだわらないのです。

国内のお茶の品評会でも数々の受賞歴を誇る、「高品質」の嬉野茶の地元茶商としては、内心抵抗がおありだったと推察しますが、

下田様は、やはり先方の茶商は市場そのものと考え、ここを徹底的にフォローすることを第一に、彼らとの商談を勧められました。

もちろん、”Japanese Green Tea”を「日本茶」として、ぜひ美味しく味わって頂きたいものですが、まず日本のお茶がこうした欧米の文化のなかで、一定の地位を築くのが先決、最低限取引のある茶商のチャネルに限定したところでも、末端のお客様で需要が定着することが出来て、初めて議論すべきことなのかも知れません。

やはりマーケットインの徹底、ということが取引拡大のキーサクセスファクターだったのでした。

こうしたマーケットインの徹底のうえでも、下田製茶舗様にはもう一つ、輸出で成功するために乗り越えなければならない壁がありました。

輸出のためのお茶をどう調達するか、ということです。次回はそれに対する取り組みをご紹介します。

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By AYUGO01

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