ここ半年以上の長期にわたり各国の外国為替市場の相場で円の価値が下落、ドル高の状況になっております。1年前に1ドル100円であった円ドルの為替相場は135円前後、一時は150円を突破するという、ここ30年来見ることのなかった状況となっています。他の通貨との相場を見ると、対ユーロはそれ程価値は下落していませんが、対中国人民元、対シンガポールドルも米ドル同様に歴史的な下落になっています。これに原油の高止まり、燃料等による物流費の高騰、穀物などの高騰により材料、原料の値上がり、日本の消費者物価もこの9月には約3%上昇、と企業の皆様の経営も苦境に立たされ、又私どもの国民の生活も苦しいという状況です。
しかし今この状況のなかで、今まで海外市場に出られていない企業様には大きなチャンスになっていると言えます。世界でも類のない技術による日本製品でも、今まで価格が高くて海外市場に浸透しきれなかったというものも多いかと思いますが、今の円安下では以前と比べて日本製品の価格は相対的に安くなっており、海外での市場価格に合うようになっている可能性はあります。確かに原材料や物流関係費は値上りをしておりますが、加工費や付加価値とあわせた製品コスト全体としては割安感が出ているかもしれません。自らの技術に自信を持たれている材料や産業資材、部品メーカーの皆様にとっては、割安感により自社製品を海外のお客様に試して頂けるハードルは下がっています。皆様の技術や品質を海外のお客様に実際の製品を通じて認識して頂けるチャンス到来です。
また、今や日本文化、ヘルシーな日本食は世界的にも注目されています。海外市場での認知、ブランド未確立の飲食品などを製造したり、取り扱っていらっしゃる皆様も、この円安をきっかけにして海外進出を考えてはいかがでしょうか。たとえばお酒や日本茶など、日本文化を代表するような産品は、この機会に市場に浸透し、海外のお客様に認知頂く。今まで価格が高く敬遠されていたお客様にとっては割安感が出ている今の時期は、お試し購買のハードルは下がっています。この機会に皆様の産品をこうした海外のお客様に試して頂き、その味わいなどの品質のよさを体感していただくのです。これら産品は、いったんその品質を認知されれば、お客様はその品質を求めて、「お気に入りのもの」として頂けるようになります。こうしたものが積み重なってゆけば、市場でのブランド力が形成されてゆきます。将来国際情勢の変化で再び円の価値が上昇し、海外市場で日本製品・産品の価格が上昇しお手頃感が消えてしまっても、こうしてお客様の「お気に入りのもの」となったもの、その品質がお客様に認められた産品の商売は生き残るのです。
この円安の状況のなか、日本の経済力等の国力低下が盛んに言われておりますが、品質にこだわった技術力による日本製品、高度で繊細な日本文化に則した匠の技はまだまだ健在、国際市場のなかでも特に優れて特徴的なものといえます。円安の今こそ、これらを武器にして国際市場でMade in Japanの新たな市場を築くチャンスです 。このブログで、こうしたMade in Japanの海外進出を今、取り組まれている企業の皆様を紹介して参ります。