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 日本の技、日本の品質、日本の味わいを掲げ、グローバル市場に挑戦している企業様を訪ねています。世界が追い越していったのか、はたまた日本が衰退したのかわかりませんが、昨今、経済・社会・生活の豊かさなど様々な分野で、世界における日本の地位低下が言われています。しかし本当にそうでしょうか?日本には世界に誇れる技術や伝統、文化があって、多くの企業様の努力によりその価値が各国で認められています。さらに、そうした既存プレーヤーに加えて、新たに自社の商品・技術の世界への発信にチャレンジしている企業様もあるのです。このシリーズでそのような企業様が、如何にグローバル市場に挑戦されているのか、皆様に紹介したいと思います。

第2弾は

山梨・富士山の麓

河口湖畔の酒蔵

井出醸造店様の

取り組みを

ご紹介します

(https://www.kainokaiun.jp/)

井出醸造店様は富士山北麓の酒蔵で、お酒造りは幕末期からですが、富士山麓地域でさらに長い歴史を歩んでこられた旧家です。その長い歴史・伝統の結晶の一つとして、日本酒を海外に問われている。そのようにお見受けしました。「より多く」ではなく、「より深く」。井出酒造様の発信する、日本の伝統文化の一つとしての日本酒、ご紹介します。

河口湖畔の酒蔵を訪ねて

 3月末の朝、富士山麓、河口湖畔にある、江戸時代から醸造されている老舗の井出醸造店様をお訪ねしました。

 JR中央線から「富士山麓電氣鐡道」富士急行線直通の特急で河口湖駅までやってきました。平日ですが、海外からのインバウンドで海外からいらっしゃった方々で、通路やデッキも人がびっしりの状態です。

 欧米、アジアといろいろな国から来ていらっしゃるようです。英語、中国語、フランス語、タイ語やベトナム語(のように聞こえました)、またスラブ系らしく聞こえる言葉も耳に入ります。車内アナウンスは日本語・英語・中国語・韓国語とマルチリンガルですが、カバー出来ていませんね。

 やはり世界遺産、「富士山」の力はすごいですね。海外から観光に訪れる方々もずいぶん戻ってきてくださっているようでうれしい限りです。

 河口湖駅は富士急行と東京からの高速バス、両方のターミナルになっている駅ということもあり、このようにごった返しています。

 時間が少しあったので足湯を楽しみたかったのですが、混んでいるので断念です。

河口湖畔のしだれ桜。今年は東京ではすでにしだれ桜も満開でしたが、ここではまだ蕾が硬かったです。

 その河口湖駅から湖畔に向かう途中、15分ほど歩くと井出醸造店様に到着です。

井出宇俊様

 今回は専務の井出宇俊様にインタビュー、案内していただくことになりました。

 井出醸造店様の起源は、1527年(戦国時代)、初代井出與五衞門が当地に移り住まれたところから始まります。井出與五衞門は、駿河(今の静岡県東部)の富士宮上井出村の庄屋を務める旧家の次男でした。

 この富士宮の井出家は大変古くから続く家で、源頼朝が富士で大規模な巻き狩り(1193年に行われたと言われる)を催した際、陣屋として使われたという逸話もあるほど。その歴史を語るように、当家のお座敷には、頼朝の富士の巻き狩りの様子や曽我兄弟の仇討ちなどを描いた屏風が保管されています。

 

 井出與五衞門家で醸造を始められたのは1700年ころになります。当所は醸造と言っても味噌や醤油を作られていたとのこと。その後1850年ごろに日本酒の醸造を始め、しばらくして日本酒に専念するようになりました。

 現在、当主第21代井出與五衞門さん(宇俊さんの御父上)のもと、「甲斐の開運」ブランドでの日本酒、日本酒ベースの梅酒を製造しているほか、2020年に免許を取得し、富士北麓蒸留所(Fuji Hokuroku Distiller)としてウィスキーの醸造も始めています。

規模でなく、

伝統へのこだわり

 井出醸造店様は製造規模700石/年の比較的規模の小さい醸造所です。酒の一大消費地である東京を始め、全国に日本酒を出荷している、というわけではありません。山梨県は観光県であり、井出醸造店様の酒の出荷は観光地の旅館などを中心に、ほぼ県内に限られるそうです。

 井出醸造店様は、規模の拡大を狙い、国内の市場を広げてゆくということにはそれほどこだわりを持っておられません。しかし、歴史に裏打ちされた、時代の流れのなかでも守るべき伝統をどう守り、それをいかにお客様に「堪能」して頂くか、そこには大変こだわっておられます。

 まず、酒造りのコンセプト。井出醸造店様では、日本文化を継承するものとしての誇りを大切に、それを具現することにこだわりをもって酒造りをすすめています。

「温故知新」をモットーに、伝統的な作り方に近代化したプロセスをミックス。人の手を掛けるべきところは伝統的手法にこだわり、そこにこだわらなくともよいところは機械を使って効率化を図る、ということにしています。

 そして、ブランド。

井出醸造店様は、個人事業主として酒造りを業とされています。酒蔵では最近法人化が増えていますが、井出醸造店様は当主井出與五右衞門様の個人事業として酒づくりをやっていらっしゃいます。

これは免許とラベルの関係によります。当店の酒造免許は、名義を井出與五右衞門で取得しており、法人化するとこのラベル表記が変わってしまいます。

守るべき伝統へのこだわりとして、ここは代えたくないのです。

次世代においても井出與五右衞門名が襲名ですから、免許名義は変わらず、ラベル名も変えずにすみます。こうすることで井出醸造店のブランドも長く継承してゆくことができます。

 そのような

井出醸造店様の

海外市場への展開は

どのような

ものでしょうか。

次回はこのあたりを

じっくり

ご紹介致します。

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By AYUGO01

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