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日本の技、日本の品質、日本の味わいを掲げ、グローバル市場に挑戦している企業様を訪ねています。

世界が追い越していったのか、はたまた日本が衰退したのかわかりませんが、昨今、経済・社会・生活の豊かさなど様々な分野で、世界における日本の地位低下が言われています。しかし本当にそうでしょうか?

日本には世界に誇れる技術や伝統、文化があって、多くの企業様の努力によりその価値が各国で認められています。さらに、そうした既存プレーヤーに加えて、新たに自社の商品・技術の世界への発信にチャレンジしている企業様もあるのです。

このシリーズでそのような企業様が、いかにグローバル市場に挑戦されているのか、皆様に紹介したいと思います

第1弾は、

東京の酒蔵である

石川酒造株式会社様です。

(https://www.tamajiman.co.jp/)

石川酒造様は、東京多摩地区の福生市、多摩川の河岸段丘の上に酒蔵を構えており、幕末文久年間から酒造りに取り組んでいます。日本酒に加え、クラフトビールも品揃えをし、東南アジアへの輸出拡大に取り組んでいます。
その取組みはまさに異端児、
日本酒市場の主流とは一線を画すものでした。
そのブランド
「多満自慢」(日本酒)

「多摩の恵」(クラフトビール)を引っ提げて、
海外市場に挑戦です!

1月の末、都心でも朝方の気温が氷点下まで冷え込んだ日、石川酒造様を訪問すべくJR拝島駅に降り立ちました。

その日は寒いけれど天気もよく、風もないので歩いてゆくことにしました。

途中、多摩川に向かって坂を下る手前に流れる玉川上水の分水、熊川分水を見つけました。

「福生市景観重要資源」になっているそうです。

 歩いてゆくと、今までにない発見があるものですね。会社勤めのころは専らタクシーで行っていたので見過ごしていました。

駅から15分ほど歩くと、昔ながらの黒塀と、

「多満自慢」

と大書された工場が見えてきました。

石川酒造様です。

中に入ると「酒飲みのテーマパーク」という看板もあり、ちょっとわくわくしますね。

今回は石川酒造様で

商品企画、営業、マーケティング、広報、輸出、
システムを営業部長として

担当されている小池貴宏さん、

また杜氏として

日本酒造り、製造(瓶詰ビール含む)を

担当されてる前迫晃一さんに

お話しを伺いました。

石川酒造様は

どのような

酒造りをし、

どこに

酒蔵としての

アイデンティティを

求めているか?

日本酒の酒蔵訪問記と言えば、やはりみなさんどのようなお酒を造っておられるのか、まずは気になるところでしょう。

 今の市場では(最近はだいぶ変わってきたところもありますが)、主流の味は「あっさりした辛口の口あたり」、「きりりとしまった呑みごたえ」というものでしょう。

「異端児」の個性あふれる、
  多満自慢純米無濾過

石川酒造様が

敢えて狙うのが、

その真逆の酒造り。

「雑味は旨味」

としてとらえ、

甘口で能淳な、

日本酒としては複雑な、

華やかな味を

実現しているのです。

そして、

その代表作が

「純米無濾過」。

その「純米無濾過」とは、どのようなお酒なのでしょうか。

 お酒造りで大切なのは「水」と「米」。まず仕込み水は、敷地内の150mの井戸から汲み上げています。

酒蔵敷地内にて(現在仕込水は酒蔵敷地内の別の個所から汲み上げています)

 川上に鍾乳洞のある多摩川水系は
元来カルシウムなどの
ミネラルの多い、
日本にしては硬い水です。

 この仕込みの地下水もそんな影響も受けてか、
やはり中硬水で、味わいは
 フランスの著名ミネラルウォーターのよう。

 しっかりとした味のお酒を
造りやすいのかもしれません。

 米についてですが、このお酒では山田錦などの酒米は敢えて使っていません。毎年、杜氏が食べて美味しいお米を探し、普段私たちが食す食べる用のお米、飯米をつかっているのです。

 飯米は酒米に比べ穀粒が小さく、磨きも60%くらいまでしかできませんが、その分、穀粒の周辺に多くあるアミノ酸類、タンパク質や脂質などの成分が酒に残ります。

右が酒米、左が飯米。
米粒の大きさの違いがわかります。

 より純度の高い炭水化物を使って醸造したい日本酒の主流の酒造りでは、本来雑味の元として取り除かれるはずのものです。

 それらの成分を敢えて酒に残すことで、石川酒造様の求める「旨味」を醸し出し、濃淳で複雑な、華やかな味を実現できているのです。

 このいわば独自路線を実現したのは、今の杜氏の前迫さんです。

 以前は石川酒造様でも、市場の流れにあったような、雑味を取り除いたあっさりした口あたりの酒造りを行っていました。

 しかし前迫さんが杜氏となってからこれを180度転換、今のように酒の味で他社にはないものを出す、差別化路線を敷くことになりました。

 そこには、今の市場で流通している酒とは一線を画した味にこだわらなければ、異端児とならなければ、日本酒の市場では埋もれてしまうという危機感がドライブとしてありました。

さて次回は…?

そんな酒蔵の異端児の道を行く石川酒造様の
販売戦略、

ブランディングとは?を

お届けします。

ご期待ください!

続きをどうぞ!

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By AYUGO01

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